2008-01-01から1年間の記事一覧

寸感/小泉氏の音楽力、消費税前面に、男の約束

◇◇ 「音楽遍歴」(小泉純一郎 著)の本気度。 本気度とは妙な言葉かもしれないが、クラシック音楽への愛好度を示すお話には、どこまでが著者の本当の言葉か分らない場合が多いので、つい、このような失礼な物言いをしてしまった。一国の首相であった方には申…

終末医療/後期高齢者

終末医療については、事柄の性質上、重大な問題であるにも拘らず、あまり表立っては論議されてこなかった嫌いはあるが、それでも「緩和ケア」「尊厳死」問題など、マスコミにも取り上げられてきた経緯はある。 それが、今般、後期高齢者問題に絡んで俄に(?…

寸感/尺八、人力車、後期高齢者

◇◇ 尺八については「一音成仏」と言われている境地があることを知った。 一つの音を鳴らすだけで成仏の境地に至る、という尺八の極意らしい。 尺八は西洋楽器のように、多数の音を操る楽器ではない。なるほど、一つの音だけで、森羅万象-----すべてのことっ…

「余命一ヶ月の花嫁」の読み方

評判のテレビ作品「余命一ヶ月の花嫁」は、以前に拝見したが、書店で見かける同名書は読んでいない。というよりも、読む気力がないのは、私も肉親を半年前に癌で亡くしたからである。 それに、いくら筆力を尽しても、人の喜び、哀しみを完全に表現することは…

弦楽器(ヴァイオリン/チェロ)の魅力

ヴァイオリンという弦楽器について興味を持たれる方は少なくないと思われる。この楽器(とチェロ)演奏と数十年付き合ってきた体験を通じて、僅かに言えることを以下に綴ってみよう。 弦楽器は、無造作に感覚だけに誘われで弾いているように見えるかもしれな…

時事寸感(13)後期高齢者、与謝野馨

このたびの山口県の補選での自民党の敗因は、ガソリ ンよりもむしろ後期高齢者医療の問題であったとも言わ れている。何が問題なのか。 もし2 兆円の税収不足が生じ、それを直ちに手当てす る方策が見付からなければ、被害は地方財政を直撃し、 地方の住民生…

本2題/夢をかなえる、作家の選考

◇ 勧められて、売行き70万部と評判の「夢をかなえるゾウ」(水野敬也)を手に取ってみた。 世に成功ハウツーものは多いが、その殆どは大上段に振りかぶったもので、成る程!と感じ入りはするが実行が伴わなわず、気がつけば本は埃を被っていて、暫くすると、…

アマチュア音楽家の周辺事情(2)

前回は「アマチュア音楽家の周辺事情」についての将来展望とも憶測とも推測とも幻想とも、要するに何とも腰の定まらないものを長々と述べてしまった。ご叱正があれば是正したい。 今回は、あまり気張らずに、印象に残ったことを若干 しるしてみることで、こ…

アマチュア音楽家の周辺事情(1)

大人の俄音楽愛好家を含めて、アマチュアのクラシック音楽熱はいまや日常的かつ普通のこととなった観がある。外国では見受けられない素敵なことだ、と囃す声もある。西洋音楽が開花した明治以降、大国なみになったのは経済だけではなかった。別に西欧なみの…

本2題/与謝野馨、岸本佐知子

◇ 与謝野馨氏は自民党の政治家、元・官房長官である。 私は政治向きのことはよく分からないが、この方の隠れファンである。理由は簡単で、かの有名な小泉元首相が一目置いた、とされる人物だからである。 氏は訥弁だ。諄々と語る。能弁家の多い政界のなかで…

「南太平洋」-----ミュージカルの最高峰

最近、幸せな気分でいる。以前から探し求めていた「南太平洋」のDVDが、たまたま立寄った書店で入手出来たからである。 ブロードウエイで大ヒットしたこの傑作が映画化されたのは、もう数十年前。映画それからテレビ映画で何回も見た私は、まずLP盤を手に入…

音楽閑話(6)/チェロの哀歓

私は40歳でチェロを始めるという奥手だったが、それでも何とか仲間と室内楽やオーケストラを楽しめるようになった。実は、高校生から始めたヴァイオリンの経験が少しはサポートしてくれているということがある。 といっても、ヴァイオリンとチェロは全く異な…

小説に見る日本と朝鮮半島/中国

朝鮮半島/中国は常に日本の運命を左右してきた存在であった。海洋国家という地勢的条件に恵まれての運命ではあったが。 北朝鮮の核は周辺諸国に対する重大な脅威となっているが、その昔、隋帝国は半島北部の高句麗侵略を意図し、これが成就されると、南接す…

音楽閑話(4)/ピチカート----- 内側の楽しみ

弦楽器は弓を用いて音を出すのが普通だが、時に、三味線のように弦を弾いて音を出す(ピチカート)ことがある。 これがピタリと決まると、実に効果的で、そこを心得た作曲家の作品には嫌でも心を動かされてしまう。 しかし、当然ながら、音程が良いというの…

「孤人」とは何様か?

最近よく見かける言葉は、従来の「一人暮らし」、「独身貴族」等と一味違うような「孤人」である。 これを時代を象徴するキーワードとして見ると、これまでのいろいろな言葉が思い出される。 ----- ベビーブーム、核家族、単身赴任、団塊世代、など。 孤人と…

記憶力と西郷隆盛

昨日の夕食に何を食べたか? これが思い出せずに、認知賞の前兆か?と悩む人がいるかもしれない。 ところが「記憶力」にはいろいろあって、それが分かってから悩んでも遅くはないのかもしれない----- というところが面白く、また記憶力の不思議なところであ…

未来に縛られずに生きられる?

先のコメント「過去を持てる幸せ」で、ある方から厳しいお叱りを戴いた。 その方には闘病中の家族がいて、「過去を持てる幸せ」とは、家族を亡くしても、すぐに幸せな思い出に変わるよ、という意味であれば決して許せないぞ----- という趣旨のものであった。…

過去を持てる幸せ

映画「タイタニック」が再放映されるという新聞予告があったが、前に見たことがあるのでそのままにした。 思い出したのは、年老いた女性主人公が、海底のタイタニックから引揚げられた小金庫のなかから現れた自分のスケッチ画に、数十年ぶりに再会するという…

時事寸感(12)議員日当制、2大政党制、日銀総裁

◇ 議員日当制の可否 ほかならぬ日本の、ある自治体で日当制で議員報酬 を手当するというところが現れたという。議員になってしまえば生活は歳費で丸抱え、とかくの政務調査費、海外視察費の支給対象にもなれる、といった慣習に風穴が空くことになる。議員が…

迷走する萬年筆

先日、NHKテレビでで萬年筆の特集があった。そのなかで印象深かったのは、次ぎの二つのコンセプトだった。 美しくなければ萬年筆ではない 書き味がよくなければ萬年筆ではない 前者に注目すれば、そこから収集癖が生じるような感じがある。1万本を集めたと…

音楽閑話(12)/器楽と声楽

私は 弦楽器をいたずらするので、オーケストラに参加することがあるが、合唱団と共演すると、そこに何か文化?の違いみたいなものを感じることがある。 例えば; ● オーケストラは譜面なしでは一歩も前に進めない。そこで、合唱団の暗譜力は常に羨望の種。 …

日本のグローバル化?

日本人ほど外国人からどのように評価されているのかを、イジイジと気にしている民族はいない、とよく言われる。 いろいろな意味合いがあるようだ。 しかし、やたら外国を崇拝して、自分の身丈をそれに合わせようと、涙ぐましい無益な努力をする----- とうい…

音楽閑話(11)/ヴィブラート

弦楽器においては、指板上の左手首/指を揺らせて、音に豊かな生命と表情を与えること。管楽器や邦楽器においても同じ。声楽についても同様のことが言えるだろう。 声楽のヴィブラートがどのようにして与えられるのかは分からないが、人間の発声に自然に備わ…

文武両道----- ピアニスト 青柳いずみこ氏

前のブログでは、輝ける才能・岸本佐知子氏について感想を述べてみた。 「気になる部分」に、こういうフレーズがあった。 適記してみると; <髪>に比べて<毛>は不遇である。「剃髪」には厳かな響きがあるが、「剃毛」はなんだか恥ずかしい。「亜麻色の髪…

嫌いなものの効用----作家の場合

人に薦められて、女流作家・岸本佐知子「気になる部分」を一読してみた。 驚いた。一読するには勿体ないくらいの内容である。 人として「気になる」部分についての掌編を纏めたあものだが、ここで「気になる」とは仮に「嫌いなもの」と言い換えてもよい。 人…

教材作って魂入れず?

ピアノ学習の話になるが、ある編集者がピアノ教材の出版企画に際して、教材執筆者からピアノ演奏の手ほどきを受けたそうだ。 曰く: ----- 個別学習事項を一般化することと、動作という主観的なな感覚を客観化することの手がかりを得た気がする。 これで編集…

神様でも癒せない? 柳田氏は?

こんな話がる。 ----- 神様が、人間たちの悲しみを憐れみ、すべての悲しみを平均して人びとに分ち与えようとした。すると人は、自分の悲しみだけを抱きかかえて逃げ散ってしまった、というのである。 ある人も似たような話をしてくれた。肉親が亡くなって心…

好漢 石田三成(その2)

小身の大名ながら天下の家康を向うにまわして、天下分け目の決戦を挑み、破れたりとはいえ歴史に名を残した石田三成。心に大義を抱きながら敗残の運命を迎えたのは、その人柄によるところも多いと思われる。 同じように孤高の志を持ち、歴史の流れのなかに消…

好漢 石田三成

このところ、読むのは藤沢周平が多かったが、国会が荒れ、海難事故が続き、中東で問題が多発し、食品事故が起こったりすると、私には当事者責任がなくても、妙なもので司馬遼太郎が懐かしくなる。 久しぶりで「関ヶ原」を再読してみた。文庫本とはいえ、上中…

テレビ「お散歩」番組

旅人と称するレポーターが、都内各所あるいは近郊沿線を散歩して、そこで出会う風物や地域の人たちを紹介する番組がある。 多くは東京が中心となっていて、地方が殆ど無視されているようなのが残念といえば残念。東京一極集中、と目くじら立てるほどのことは…