「孤人」とは何様か?

 最近よく見かける言葉は、従来の「一人暮らし」、「独身貴族」等と一味違うような「孤人」である。
 これを時代を象徴するキーワードとして見ると、これまでのいろいろな言葉が思い出される。 ----- ベビーブーム、核家族、単身赴任、団塊世代、など。
 孤人とは、何がどう違うのか。マスコミ造語なのだろうか。
 「孤」とは、どことなく「孤高」を連想させるが、そういうレベルのものとは違うようだ。また「孤独死」はマスコミの若い編集者たちの想像を越え得たものであるらしい。


 よく見かける事例は、「孤人」がキャリアウーマンと結びつけられて用いられていることだ。それも(私が見た限りでは)独身キャリアウーマンと主婦キャリアウーマンとのセットで紹介されていた。不思議に男性は登場しないようだ。何故か。
 「孤人」状態は老若男女、年齢を問わずにあり得ることと思われるのに、これはどうしたことだろうか。
 偏見かもしれないが、私はそこに女性孤人ならマスコミの話題になる、と思われているような雰囲気があるように感じられてならないのだ。男性はお呼びでない?


 「孤人暮らし」と「一人暮らし」が同じなのか、違っているのかは分からないが、その生活実態やノウハウに関する本は、いろいろとあるようだ。
 「孤高」とかそういう難しいことを言わないで、私が手元に置いている参考書は「わたしのひとり暮らし手帖」(岸本葉子)、「おひとりさまの老後」(上野千鶴子)。岸本氏のは癌闘病と平行しての生活実録であるだけに、簡素な筆致ではあるけれども説得力がある。(上野本はまだ読んでいない)。
 「孤人」について語るなら、せめて岸本本をクリアしてからでないと------ という感じはしている。


<権兵衛の一言>
 私が座右銘のようにしている言葉:
 ------ 一人で居られない者は、人を退屈させるかもしれない。