2008-01-01から1年間の記事一覧

「感動」のいろいろ

この秋、人の命に関する感動テレビドラマの数々を視る機会を得た。 ◇ 「風のガーデン」 病苦で天国に召されることを、ただ「可哀想」「よく生きる証」「残る者への戒め」と視るのではなく、「人の最後の戦い」としてじっと見守るべし、ということをコンセプ…

一歩前進? 英語教育

新しい「高校新学習指導要領」(案)で、特筆すべきは、教師が英語の授業を英語で行うこととなる、という点だろう。 考えてみれば、英語教師が教室で英語を話ないというのは妙な話だが、これまであまり不思議には思われず、そういう教育が踏襲されてきた(の…

ここが分かりませ〜ん/裁判員制度(2)

もう一つ、分からないことがありました。 ------「一人」殺人をしたくらいでは、なかなか死刑にはならないこと。判例では「二人」(以上)の殺人で死刑に値すると判断されることが多いらしい。 被害者家族の気持(市民感覚)になってみれば、「一人」「二人…

ここが分かりませ〜ん/裁判員制度

実施目前の裁判員制度。既に候補者には通知が送られたが、辞退方法についての問い合わせが多いという。 なかには進んで拝命したい、という人もいるのだろうが、今一つこの制度の中身がはっきりしないところがある。(不勉強のせいだが)。 有識者によると、…

人生は短いのか?

読書家が薦める必読書案内(文春 08.12号)に従って「人生の短さについて」(セネカ)を求めてみた。推薦は片山慶大教授(元国家公務員、元知事)。 これは題名が示す通りの「人生の短さ」(儚さ)について教えを垂れるというものではなく、短いといえば短い…

秋深し(8)寅さん、与謝野大臣

◇◇ 寅さんの正論 このところ、よく視るDVDは「男はつらいよ 葛飾立志篇」である(前にも触れた)。これは数ある寅さんシリーズのなかでも秀作と言っていいのではないじかと思っている(すべてを視たわけではないが)。 寅さんは、縁のあった女性の墓参りで和…

秋深し(7)本2題/うな重、変容

◇◇ 「外交官の”うな重方式”英語勉強法(多賀敏行) これも頭の体操式読書方式。どういう切り口で攻略法に迫っていくかに興味がある。 著者は、外務省から東京都庁に移籍し儀典長を勤める 公務員。いわば高級官僚である著者が、いまさら英語上達法でもあるま…

秋深し(6)語学/韓国語

◇◇「蓮池流韓国語入門」(蓮池薫 ) 語学は、今更マスターしても(あくまでも「仮に」であるが)、使う所がないし、また中途半端では怪我と恥を重ねるだけだ、と自覚しているから、あくまでも頭の体操だと思っている。 テレビで夜半にスペイン語、イタリア語…

告知「せず」?

11/15(土)夜、医療問題を扱うTVドラマ「告知せず」が放映された。 妻が手当てのしようもない末期の病気であることを知った医師が、(医師でありながら)そのことを妻に知らようとしないで、周囲の医師からも責められ、一人悩む。 ● 問題。告知は医師の当然…

秋深し(5)不安定

◇◇ 視聴覚教材(8)「不安定からの発想」 ● ある晩、何気なくNHKテレビを視ていたら、読書に関する真面目?な番組にお目にかかった。 「私の一冊日本の100册」。有名人が注目に値する作品を取り上げ、司会者群がその有名人を囲んで、あれこれと話題に花を咲…

秋深し(4)忠臣蔵

◇◇ 視聴覚教材(7)各様の忠臣蔵 そろそろ忠臣蔵のシーズン。従来型?の忠臣蔵に加えて新手の解釈を施した忠臣蔵が次々とお目見えして楽しいことだ。 従来型というのは、所謂仮名手本忠臣蔵版というのか、江戸市中等の劇場で上演され、勧善懲悪調で庶民の喝…

秋深し(3)永井

◇◇ 視聴覚教材(6)ブログ/永井荷風 インターネットの楽しみは、資料検索それに各様のブログが拝見出来ることである。 ブログといっても、ただ写真を並べて説明してあるものは刺激をそそるところがなくて、そういうものがブログランキングの上位だと言われ…

秋深し(2)

◇◇ 視聴覚教材(5)ヴァイオリン低弦の魅力 ヴァイオリンの魅力についての話は尽きない。 金沢工業大学の堀 幸夫先生の論文によれば、ヴァイオリンの最も低い弦(G線)から、演奏法次第によっては、ヴィオラ/チェロの領域に及ぶ低音が出せるのだそうである…

秋深し

秋はもの想う頃である。私も何か想うことにしよう。 ◇◇ 視聴覚教材 教材といえば、まず学問。定年の私には今更学問でもあるまいが、この言葉に心惹かれたのは、初めて DVD「男はつらいよ/葛飾立志篇」を求めてみてからのことである。 「男はつらいよ」シリ…

松田理奈の風格(その3)

松田さんのブログによると、福岡公演(10/10)の成功のあとは、「もつ鍋」で締めくられたとのこと。松田さんの腕前からすれば、公演成功は当り前のことだ。(本人は蔭で努力されているのだろうが、これは言わぬが華)。 CD「カルメン幻想曲」を聴いての感想…

時事寸感(15)/自・民党、篤姫

麻生総理の所信表明演説が話題となっている。つまり、「所信表明」ではなく、民主党に対する「質問状」(挑戦状?)となっているのが、従来の形と違っている、というとろからくる疑念と戸惑いであろうか。 しかし、そもそも「所信表明演説」に所定の形式があ…

痛恨「雪の夜」

以前、このブログで「遠い残雪のような------」で始まる戦没学生の詩を紹介したことがあった。 その詩は「きけわだつみのこえ」で拝見したのだが、作者不詳となっていたような記憶がある。 作者はどういう方なのか知りたいと兼ねて思っていたのだが、先日、…

音楽閑話(16)/ 松田理奈の風格(その2)

先に御紹介した天才ヴァイオリニスト松田理奈さんのことだが、彼女の才能の背景を示す書き込みがネットで散見されたので、その要旨を御紹介してみる。 ● 本番とCD録音では弾き方をかえる。(本番では自由奔放に、録音でが丁寧な演奏を心がける、という意味に…

音楽閑話(15)/ 松田理奈(ヴァイオリン)の風格

チャイコフスキー「アンダンテ カンタービレ」をレパートリーにしている女流ヴァイオリニストがいる、と聞いて、そのCDを求めてみた。 この曲は、弦楽四重奏曲第1番の第2楽章で、甘美な旋律で有名。また弦楽四重奏曲の一部となっているのが珍しい感じで、…

篤姫の人物像

NHKの大河ドラマ「 篤姫」が好視聴率だというが、その原因は何だろうか。 たまたまテレビを見ていたら、天皇家から徳川家に降嫁した和宮は替え玉で、しかも、篤姫はそれを知っていた、とある。 知りながら公武合体のために事態を静観?した篤姫は、相当の人…

音楽閑話(14)/ 「草枕」、「アメリカ」

◇ 漱石の「草枕」に興味を惹かれたのは、希代のピアニスト グールドがこれを愛読書にしているということを、どこかで聞き齧ったからだった。 「草枕」といえば、私には冒頭の「智に働けば角が立つ。〜」云々で知られているばかりで、私には苦手の本の部類に…

お盆の季節に

◇ 手元供養 お盆の季節。「手元供養」という言葉があることを教わった。お墓参りに行くことがすべてではなく、亡くなった人の思い出の品を身近に置くことも、それに匹敵することである、という考え方のようだ。 例えば、物故者の写真を肌身離さず(ペンダン…

本2題/ガリア、丸谷

暑中お見舞い申し上げます。 暑いので、鈍い筆がなおのこと滞りがちだが、最近見たブログでは、そのあまりの元気の良さに驚かされた。 一つは、評論家/内田樹氏。毎回、量の多さと質の濃さに恐れ入っている。量が多い人は珍しくないのだろうが、質量共に、…

取り敢えず、三つばかり(その2)

● カメラ/スピグラ、オリンパス ペン、マミヤ シックス。(スピグラは、就職当初に配属された広報関係の仕事で持たされたもの。昔の報道カメラマンが使っていた憧れの器材だったが、成果を左右するのは、当然ながら足とセンスだけ)(ということを悟っただ…

取り敢えず、三つばかり

日常生活で関係のある(あった)ものを、取り敢えず無節操に三つばかり並べてみる。何の主義主張、イデオロギーもない。単なる思い付き。 ● ワープロ・パソコン/カシオ700、マッキントッシュ「クラシック」、同「アイブック」(現使用中 )。 ● 萬年筆/パ…

寸感/フリップ音、キムタク総理

◇◇ 気になるフリップめくり音 時に早朝のテレビ番組「朝ズバッ!」(TBS)を視ることがある。いや、ここでは聞くことがある、としたほうがいいかもしれない。 というのは、名司会者/みの もんた氏が大きな掲示板上の見出しにあるフリップをめくるごとに、そ…

時事(14)犯罪予告、国会論議? 不毛な論議

◇◇ 犯罪予告 秋葉原大量殺傷事件で、犯人は事件に至る経緯を克明にケータイ掲示板に記録していた。 こういう動かぬ証拠があるのに、何故事件を未然に防ぐことが出来なかったのか、と識者の論議が盛んであるようだ。有害サイト削除の具体案検討も進んでいるよ…

寸感/案外いいかも、え?弱い?、カラヤン?

◇◇ 案外いいかも 以下は、ネット上の「ほぼ日刊イトイ新聞」での連載エッセイ「今日のダーリン」(糸井重里)の抜粋。 ------ ぼくはおそらく、ふつうの人並みの知識と意識で、これまで生活してきたと思うのですが、そんな平べったい立場のままで、番組に参…

寸感/官僚的挨拶、ほぼ日刊、韓国の政情

◇◇ 官僚的挨拶とは? 久しぶりのことだが丸谷才一氏の最新エッセイ(「月とメロン」)を求めた。帯に「自由自在な発想で精神を解放する、これが知的エッセイの見本です」とある。 「精神の解放?」------ なるほど、我々の周辺には、知らぬ間に精神を麻痺さ…

音楽閑話(13)コマ劇場、チェロ音楽、枕頭音楽

◇◇ 新宿コマ劇場の閉館 近く終幕を迎えるという報道があり、いささかの感慨を覚えた。新宿という庶民の街の中心にあり、美空ひばりの公演などがあったことで有名。知名度は抜群の筈である。 最近では集客力が落ちたといわれるが、他館と比べて企画が当たらな…