秋深し(6)語学/韓国語
◇◇「蓮池流韓国語入門」(蓮池薫 )
語学は、今更マスターしても(あくまでも「仮に」であるが)、使う所がないし、また中途半端では怪我と恥を重ねるだけだ、と自覚しているから、あくまでも頭の体操だと思っている。
テレビで夜半にスペイン語、イタリア語などを視るのは楽しいが、意味(文法)を通して理解しているわけではないので、全く頭に残らない。
蓮池氏は北朝鮮から生還した人だが、そうした興味本位からではなく、語学学習という面からその著書を見て、本道を行っていると思われるところが意義深い。
何よりもハングルを覚えなければ生きていけなかったという境遇と緊張感が、1年くらいの短期間で韓国語をマスターすることを可能とした。
これは、あらゆる語学道に通じる王道であるに違いない。
身近な例として、外国人力士が驚くほどの短期間に日本語をクリアしてしまうのはどうだろうか。一年中、朝から晩まで親方や兄弟子たちの中で生活し、厳しい可愛がりを受けていれば、日本語を使わずにはその世界で生きていけないのだ。
もっと厳しくシゴく方法がある。それは飛行機操縦訓練だが、訓練には教官に同乗してもらい操縦を教わる。操縦を誤ったらどうなるか。教官もろとも墜落死が待っている。教官も必死になってシゴくだろう。
軍楽隊の話になるが、訓練生は出来が悪いと、遠慮会釈なくビンタを食うとされる(戦前の話)。あっという間に上達するのは必定であろう。
街の英会話学校でビンタを食らわしたら、忽ち上達するであろうに、人権尊重が学習の邪魔をしている、と言っては叱られるだろうか。
さて、蓮池式学習だが、氏は英語にも努力はしたが芽が出なかったそうだ。得手不得手があるのらしい。
氏は、韓国語の語順が日本語そのものであることが有利であると言われる。あのハングルの迷宮のような感じを克服した後は、この語順の問題は大いに有利に作用することと想像する。
しかし、発音はやはり難しそうだ。氏は、一寸でも発音が悪いと、遠慮なく笑われたという。これも刺激になったことだろう。日本語の下手な外国人に対して、如何に我々は寛容であることか。
私がいた職場から、暫く韓国に研修に行かされた職員がいたが、滞在が半年ということでハングルは覚えようとしなかったところ、現地職場できつく非難されたそう。そうあるべきだろう。
私が彼の立場だったらどうするだろうか。やはり恐縮して発憤させられるだろう。その場合、韓国歌謡曲から入門するのはどうだろうか。
私が 美空ひばり や 都はるみ 同様に愛好している韓国歌手は(もう引退して久しいが)李 成愛(女性) である。彼女の暖かみのある「釜山港へ帰れ」「カスマプゲ」「黄色いシャツ」「サランヘ」は素晴しい。(韓 日両国語で歌っている)。
<権兵衛の一言>
先日、テレビで「韓国歌謡コンクール」なる催しが放映された。韓国語を母国語としない人たちがステージで韓国歌謡を熱唱するのである。ホールは満員。
素晴しいことだ。
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