2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

過去を持てる幸せ

映画「タイタニック」が再放映されるという新聞予告があったが、前に見たことがあるのでそのままにした。 思い出したのは、年老いた女性主人公が、海底のタイタニックから引揚げられた小金庫のなかから現れた自分のスケッチ画に、数十年ぶりに再会するという…

時事寸感(12)議員日当制、2大政党制、日銀総裁

◇ 議員日当制の可否 ほかならぬ日本の、ある自治体で日当制で議員報酬 を手当するというところが現れたという。議員になってしまえば生活は歳費で丸抱え、とかくの政務調査費、海外視察費の支給対象にもなれる、といった慣習に風穴が空くことになる。議員が…

迷走する萬年筆

先日、NHKテレビでで萬年筆の特集があった。そのなかで印象深かったのは、次ぎの二つのコンセプトだった。 美しくなければ萬年筆ではない 書き味がよくなければ萬年筆ではない 前者に注目すれば、そこから収集癖が生じるような感じがある。1万本を集めたと…

音楽閑話(12)/器楽と声楽

私は 弦楽器をいたずらするので、オーケストラに参加することがあるが、合唱団と共演すると、そこに何か文化?の違いみたいなものを感じることがある。 例えば; ● オーケストラは譜面なしでは一歩も前に進めない。そこで、合唱団の暗譜力は常に羨望の種。 …

日本のグローバル化?

日本人ほど外国人からどのように評価されているのかを、イジイジと気にしている民族はいない、とよく言われる。 いろいろな意味合いがあるようだ。 しかし、やたら外国を崇拝して、自分の身丈をそれに合わせようと、涙ぐましい無益な努力をする----- とうい…

音楽閑話(11)/ヴィブラート

弦楽器においては、指板上の左手首/指を揺らせて、音に豊かな生命と表情を与えること。管楽器や邦楽器においても同じ。声楽についても同様のことが言えるだろう。 声楽のヴィブラートがどのようにして与えられるのかは分からないが、人間の発声に自然に備わ…

文武両道----- ピアニスト 青柳いずみこ氏

前のブログでは、輝ける才能・岸本佐知子氏について感想を述べてみた。 「気になる部分」に、こういうフレーズがあった。 適記してみると; <髪>に比べて<毛>は不遇である。「剃髪」には厳かな響きがあるが、「剃毛」はなんだか恥ずかしい。「亜麻色の髪…

嫌いなものの効用----作家の場合

人に薦められて、女流作家・岸本佐知子「気になる部分」を一読してみた。 驚いた。一読するには勿体ないくらいの内容である。 人として「気になる」部分についての掌編を纏めたあものだが、ここで「気になる」とは仮に「嫌いなもの」と言い換えてもよい。 人…

教材作って魂入れず?

ピアノ学習の話になるが、ある編集者がピアノ教材の出版企画に際して、教材執筆者からピアノ演奏の手ほどきを受けたそうだ。 曰く: ----- 個別学習事項を一般化することと、動作という主観的なな感覚を客観化することの手がかりを得た気がする。 これで編集…

神様でも癒せない? 柳田氏は?

こんな話がる。 ----- 神様が、人間たちの悲しみを憐れみ、すべての悲しみを平均して人びとに分ち与えようとした。すると人は、自分の悲しみだけを抱きかかえて逃げ散ってしまった、というのである。 ある人も似たような話をしてくれた。肉親が亡くなって心…

好漢 石田三成(その2)

小身の大名ながら天下の家康を向うにまわして、天下分け目の決戦を挑み、破れたりとはいえ歴史に名を残した石田三成。心に大義を抱きながら敗残の運命を迎えたのは、その人柄によるところも多いと思われる。 同じように孤高の志を持ち、歴史の流れのなかに消…

好漢 石田三成

このところ、読むのは藤沢周平が多かったが、国会が荒れ、海難事故が続き、中東で問題が多発し、食品事故が起こったりすると、私には当事者責任がなくても、妙なもので司馬遼太郎が懐かしくなる。 久しぶりで「関ヶ原」を再読してみた。文庫本とはいえ、上中…