2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ローマのマニュアル

妙な題名だが、以下、本文からその意を汲み取って頂ければ幸甚。 このほど完結した塩野七生畢生の大作「ローマ人の物語」は、堂々全15巻という陣容。あまり大部なので恐れをなして、先日、その内の1巻「ハンニバル戦記」のその文庫版(全3册)の、その「…

追悼!大平総理(続)

「権力の病室」を読みながら思ったのだが、これは単なる闘病記ではない。 「権力の〜」とあるが、大平総理の場合の権力は一寸普通とは違うような気がする。 「権力」とくれば、例えば「金権」と受けてもおかしいくない雰囲気があるが、権力もその活かし方に…

追悼!大平総理

購入を予約して待ち兼ねていた「権力の病室」(国正武重、文藝春秋)が、やっと発売となったので、これから読むところだ。この本は大平総理が志半ばで心臓病で倒れ、逝去するまでの2週間を記録したドキュメント長編である。 政治家の伝記は多いが、病室を巡…

音楽閑話(8)伊丹十三氏 とヴァイオリン

今から約40年前、海外がまだ遥に遠い彼方に霞んで見えた頃に発刊された初エッセイ集「ヨーロッパ退屈日記」に衝撃を受けた人は少なくない筈だ。 (*)以下の文章中の引用は、上記「ヨーロッパ退屈日記」、それから「女たちよ!」、「伊丹十三の本」による。…

田辺聖子氏に脱帽

私が尊敬する女流作家は、曽野綾子、林真理子、それに田辺聖子の諸氏。実にいろいろなものを教わった。どこがいいのか、と聞かれても困るが、男にはない切り口の細やかさ、鋭さがあるような感じがする。鋭さの点では富岡多恵子氏も抜群で「英会話私情」とい…

大人の英語学習/寸感(3)

英語/英会話を学ぶ理由の一つとしてよく言われるのは、それが「国際人」になれるパスポートになる、というものである。 しかし、考えてみると(考えなくても)その国際人というのがよく分からない。日本人が英語(意思疎通の道具)を駆使して国際的に活躍す…

小説に見る日本と朝鮮半島/中国

朝鮮半島/中国は常に日本の運命を左右してきた存在であった。海洋国家という地勢的条件に恵まれての運命ではあったが。 北朝鮮の核は周辺諸国に対する重大な脅威となっているが、その昔、隋帝国は半島北部の高句麗侵略を意図し、これが成就されると、南接す…

大人の英語学習/寸感(2)

(前回の復習のようなもの) ◇ 我々の生活環境では殆ど英語を必要としていない。(そういうなかで、どうやって学習意欲が維持出来るというのか。むしろ、英語が出来ないのが当然)。 ◇ 英語学習にはまず国語(日本語)力が必要とされるが、外国人教師はこの…

大人の英語学習/寸感(1)

安倍内閣についてはいろいろに語られているが、人を驚かせたのは伊吹大臣の「小学校英語必修無用論」だろう。何しろ、これまで文科省、中教審、教育現場、業界等がその気になって進めてきた計画に、思いがけず「待った」がかかったからである。安倍内閣の基…

音楽閑話(7)/二つの校歌

思えばもう半世紀も前のこととなってしまった。いまは卒業した学校のオーケストラOB(アマチュア)の身である。そのOB会から一通の案内状が届 いた。「アンサンブルで古希を楽しむ会」とある。会の名称に、古希を迎え老骨に鞭打って古希仲間と音楽演奏を楽し…