2013-01-01から1年間の記事一覧

寸感/「人となり」とは

「人となり」つまり、ある人の人物像をはっきりさせるものは何か、ということですが、普通はその人の世における貢献度/業績を挙げるのが通例でしょう。 しかし、見方によれは業績とは既に過去のもので、現在目の前に居る人物の実像を必ずしも反映していな場…

「ゼロ」と「クラシック」(その1)

● 共にベストセラー作家/百田尚樹に関係がある。 「ゼロ」とは数百万部という発行部数を持つ「永遠のゼロ」のことで、百田尚樹の出世作。この本は先の大戦中の日本海軍の名戦闘機/「ゼロ戦」とそのパイロットの人と運命を描いたものだが、この戦争ものとは…

寸感/荷風さん、

永井荷風の高名な著作「断腸亭日乗」は、持つには持っているのですが、何しろ岩波文庫で上下2巻 850頁に及ぶ大作で、なかなか手がつきません。内容は所謂自伝的な日記で、まずは荷風が生きた時代の特徴、背景、風俗習慣などの知識を必要とします。 日記とい…

記憶/言葉/音楽

平成24年の「本屋大賞」を受賞した「舟を編む」(三浦しをん)を読んでいます。 英語を勉強した人なら誰でも辞書に親しんだ筈ですが、その辞書(日本語)作りに関わり苦闘した人たちの物語です。 辞書というとすぐ思い浮かべるのは広辞苑でしょうか。項目が…

ドラマ「あなたへ」

あなたへ (幻冬舎文庫)作者: 森沢明夫出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/02/24メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (21件) を見るこのほど、テレビで、評判のドラマ「あなたへ」が放映されたのですが、見損なったのでDVDを買って…

寸感/イグ・ノーベル賞とオペラ

「週刊新潮」記事(2013.10.31)の受け売りです。「特別読物」として、授賞者/新見博士の授賞に至るまでの顛末が面白く読めました。 「イグ・ノーベル賞」というのは「ノーベル賞」のパロデイ版ではなく「人を笑わせ、そして一寸考えさせる」ところに特徴が…

< 二人のドヴォルザーク( 補遺/合唱コンクール )>

アマチュア:A/最近、NHK小学校音楽(合唱)コンクールで、日野市の小学校が金賞を得たそうじゃないか。 アマチュア:B/日野市の七生緑小学校のことだね。素敵なことだ。おまけに、この合唱団の児童が多摩ファミリーオーケストラのフルート担当だって。 A…

< 二人のドヴォルザーク( 小品 賛歌/その 3 )>

--- 演目 寸感 --- ◇ 「ザ・ガール・イン・サテン」(アンダーソン) 「ガール」は「少女」だとしても「サテン」とは何か。辞書を見ると「繻子」とありますから、美しいドレス風の衣装を纏った楚々とした少女、というイメージでしょうか。 (すべて私の想像…

< 二人のドヴォルザーク( 小品 賛歌/その 2 )>

--- 演目 寸感 --- ◇「仮面舞踏会よりワルツ」(ハチャトリアン)。 ワルツと聞くとすぐ軽快なシュトラウスの諸作品を思い浮かべますが、ハチャトリアンのこの曲は軽快というよりはややバタ臭く、サロンでの演奏よりは、農民たちの収穫祭での陽気で楽しい踊…

< 二人のドヴォルザーク( 小品 賛歌)>

< 二人のドヴォルザーク( 小品 賛歌)クライスラー:クライスラー ヴァイオリン名曲集(1)作者: クライスラー出版社/メーカー: 日本ショット発売日: 1998/12/10メディア: 楽譜 クリック: 4回この商品を含むブログ (1件) を見る 多摩ファミリーオーケストラ公…

< 二人のドヴォルザーク( 暇種)>

< 二人のドヴォルザーク( 暇種)> (その1) ルロイ アンダーソンとポップス オーケストラ。 多摩ファミリー オーケストラのHP に第7回定演の告示が出ました。メインの「新世界より」のほか「仮面舞踏会よりワルツ」が予告されています。 ほかに予定さ…

< 二人のドヴォルザーク(その 11)>

このとりとめのない雑文も、そのあまりのとりとめのなさ------ もうオシマイです。しかし、ドヴォルザークの懐のなかで、そのとりとめのなさと共に在ることの楽しさ、今回の多摩ファミリーオーケストラの演目のなかでの、ルロイ アンダーソンの名作「The Gir…

< 二人のドヴォルザーク(その 10)>

閑話休題。 チェロの話でした。 ある天才チェリストは、メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲のソロ部分をチェロで弾き、モタモタしているオーケストラを振り返っては大笑いしたそうですが、チェロ一つにも、逞しいアメリカのパワーが感じられるようです。 …

< 二人のドヴォルザーク(その 9 ・補遺)>

< 二人のドヴォルザーク(その 9 >文末のCD「Magical Mystery Classics」について、ブログ「幻 想 の 断 片」(小児科医/バイオリン弾き)をネットで見つけましたので、以下、引用/紹介させて頂きます。 このCDは、ヴァイオリニスト岡田鉄平(桐朋 出身)…

< 二人のドヴォルザーク(その 9)>

ドヴォルザークのチェロ協奏曲についても、いろいろな逸話が残されているようですが、ドヴォルザークがどうして、どこからチェロという楽器の協奏曲の着想を得たのかは分りません。ドヴォルザークが、チェロとアメリカとの相性の良さに惚れ込んだのかどうか…

< 二人のドヴォルザーク(その8)>

名旋律生産家として高名だったドヴォルザークも「家路」の旋律を譜面上に捉えた時には流石に「やった!」と興奮を押え切れなかったそうです。「家路」の旋律というと、小学校の終業時、小学生たちに家路を急がせるように校庭に響いたあのメロデイです。「な…

< 二人のドヴォルザーク(その7)>

本題に戻ります。 地球上にアメリカという国が生まれたことは、人類史上に様々な影響を残しました。世界の警察官としてのアメリカ、大量生産車フォード、摩天楼群、ハンバーガー、そして、何よりも音楽文化面では、黒人霊歌、民謡、ジャズ、映画音楽、ミュー…

< 二人のドヴォルザーク(その6)>

何故 素人の私が「新世界」は取り付き易いように思える、などと口幅ったいことが言えるのか。もともとドヴォルザークが生まれ育った東欧の地は、弦音楽が盛んなところで、人々は教育を受けるまでもなく弦楽器を巧みに弾きこなしたと言われています。 いまで…

< 二人のドヴォルザーク(その5)>

「第8番」と「第9番」には、まず出自の違いがあります。「第8番」は純粋のボヘミア原産。趣味の良い、いい意味での土着の音楽を思わせる傑作で、特に流麗な旋律と故郷への思慕を醸し出す第3楽章が有名です。第2楽章にも特異な印象があり、これを何故か…

< 二人のドヴォルザーク(その4)>

どういう調査なのか分りませんが、あるアンケート結果によると、古今/東西の名曲中の筆頭に挙げられるのは「新世界より」だそうです。(ポピュラーの世界では「Happy Birthday to you.」に次ぎ「Yesterday」(ビートルズ)が第4位だとか)。 「新世界」に…

< 二人のドヴォルザーク(その3)>

次ぎに挙げられたのが「新世界より」。理由が更に分りにくいのですが、ひょっとして「新」が付くところに何か「未熟」なものが感じられるのかもしれません。また「より」が付くのは本格派でない証拠だ------ というような理由が付くとすれば、こういう設問自…

< 二人のドヴォルザーク(その2)>>

本題に入りましょう。勿論、ドヴォルザークという人物は一人しかいません。「二人」というのは、ドヴォルザークの交響曲「第8番」と「第9番」(「新世界」)が、彼の渡米を境にして、何か一皮剥けたような、少し違っているような印象を(私に)与えるから…

<二人のドヴォルザーク(その1)>

「前口上」 この11月上旬、多摩ファミリー オーケストラ(アマチュア)の定期公演が予定されています。 (*)このオーケストラについては、以前、このブログ(「多摩ファミリー オーケストというところ」)で触れてみました。公演には私も関係させて頂くこ…

量から質へ------ の模索

長くアマチュア音楽の世界に籍を置いていると、歌(音楽)は世につれ------ ということが、ある程度察知出来るように感じることがある。 私は素人レベルだから大きなことは言えないが、総じて「量から質へ」ということになるのかもしれない。それにも、いろ…

雑感/時間遵守、消費者、文章術、騒音対策

順不同で前後脈絡もないものばかりです。● 時間遵守 日本の交通機関の時間の正確さには定評があるようです。飛行機や列車の発着の様子を見て、自分の行動予定の参考にしている、という話はよく聞きます。松本清張ミステリーの題材に利用されたりもします。 …

● 寸感/クラシック音楽への接し方。頭のためになる休憩法

◇ クラシック音楽への接し方 新聞広告で見たのですが、ある雑誌で名曲とされるクラシック音楽の管弦楽曲が特集されていました。 何でも第1位はベートーヴェンやシューベルト等の、我々に馴染みの深い音楽ではなく、ストラヴインスキーの「春の祭典」、以下…

寸感/機知、運弓

◇ 販売の第一線に立つ店員さんの振る舞いについては、きっと接客マニュアルで訓練を積んでいるらしいデパート、量販店、飲食チェーン店などで表面的に接するだけでは分らないものがあるだろう。分るのはマニュアルの出来不出来だけかもしれない。 そうしたマ…

プラスとプラスはマイナス?

私事ですが、私が下手な趣味とする合奏では、もう長年オーケストラや室内楽 を楽しませて(邪魔させて)頂いてきました。 私の学校OBのオーケストラでは、50歳以上という厳しい?参加条件のもとにべートーヴェンの「第 九」をやったりするのですが、これとは…

陳さま の日々

老後のことは誰しも気になるところだが、具体的なイメージは掴みにくい(あるいは目を背けていたい)。経験がないからでもある。まして、若い人に老後は全く無縁で、だからこそ先行きを考えない若気の至りも許されるのだろるが、しかし、案ずることはない、…

「未完成交響曲」(シューベルト)を聞く

作家の安岡章太郎氏が亡くなられた。文章に優れていたのは勿論であるが、美術や音楽にも通じておられた。 80歳の頃と思われる安岡氏の言葉がある。一切の虚飾や見栄などを卒業されていると思われる心境が窺われるようだ。 ----- もう音楽に対して過剰な期待…