< 二人のドヴォルザーク(その 11)>

このとりとめのない雑文も、そのあまりのとりとめのなさ------ もうオシマイです。しかし、ドヴォルザークの懐のなかで、そのとりとめのなさと共に在ることの楽しさ、今回の多摩ファミリーオーケストラの演目のなかでの、ルロイ アンダーソンの名作「The Gir…

< 二人のドヴォルザーク(その 10)>

閑話休題。 チェロの話でした。 ある天才チェリストは、メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲のソロ部分をチェロで弾き、モタモタしているオーケストラを振り返っては大笑いしたそうですが、チェロ一つにも、逞しいアメリカのパワーが感じられるようです。 …

< 二人のドヴォルザーク(その 9 ・補遺)>

< 二人のドヴォルザーク(その 9 >文末のCD「Magical Mystery Classics」について、ブログ「幻 想 の 断 片」(小児科医/バイオリン弾き)をネットで見つけましたので、以下、引用/紹介させて頂きます。 このCDは、ヴァイオリニスト岡田鉄平(桐朋 出身)…

< 二人のドヴォルザーク(その 9)>

ドヴォルザークのチェロ協奏曲についても、いろいろな逸話が残されているようですが、ドヴォルザークがどうして、どこからチェロという楽器の協奏曲の着想を得たのかは分りません。ドヴォルザークが、チェロとアメリカとの相性の良さに惚れ込んだのかどうか…

< 二人のドヴォルザーク(その8)>

名旋律生産家として高名だったドヴォルザークも「家路」の旋律を譜面上に捉えた時には流石に「やった!」と興奮を押え切れなかったそうです。「家路」の旋律というと、小学校の終業時、小学生たちに家路を急がせるように校庭に響いたあのメロデイです。「な…

< 二人のドヴォルザーク(その7)>

本題に戻ります。 地球上にアメリカという国が生まれたことは、人類史上に様々な影響を残しました。世界の警察官としてのアメリカ、大量生産車フォード、摩天楼群、ハンバーガー、そして、何よりも音楽文化面では、黒人霊歌、民謡、ジャズ、映画音楽、ミュー…

< 二人のドヴォルザーク(その6)>

何故 素人の私が「新世界」は取り付き易いように思える、などと口幅ったいことが言えるのか。もともとドヴォルザークが生まれ育った東欧の地は、弦音楽が盛んなところで、人々は教育を受けるまでもなく弦楽器を巧みに弾きこなしたと言われています。 いまで…

< 二人のドヴォルザーク(その5)>

「第8番」と「第9番」には、まず出自の違いがあります。「第8番」は純粋のボヘミア原産。趣味の良い、いい意味での土着の音楽を思わせる傑作で、特に流麗な旋律と故郷への思慕を醸し出す第3楽章が有名です。第2楽章にも特異な印象があり、これを何故か…

< 二人のドヴォルザーク(その4)>

どういう調査なのか分りませんが、あるアンケート結果によると、古今/東西の名曲中の筆頭に挙げられるのは「新世界より」だそうです。(ポピュラーの世界では「Happy Birthday to you.」に次ぎ「Yesterday」(ビートルズ)が第4位だとか)。 「新世界」に…

< 二人のドヴォルザーク(その3)>

次ぎに挙げられたのが「新世界より」。理由が更に分りにくいのですが、ひょっとして「新」が付くところに何か「未熟」なものが感じられるのかもしれません。また「より」が付くのは本格派でない証拠だ------ というような理由が付くとすれば、こういう設問自…

< 二人のドヴォルザーク(その2)>>

本題に入りましょう。勿論、ドヴォルザークという人物は一人しかいません。「二人」というのは、ドヴォルザークの交響曲「第8番」と「第9番」(「新世界」)が、彼の渡米を境にして、何か一皮剥けたような、少し違っているような印象を(私に)与えるから…

<二人のドヴォルザーク(その1)>

「前口上」 この11月上旬、多摩ファミリー オーケストラ(アマチュア)の定期公演が予定されています。 (*)このオーケストラについては、以前、このブログ(「多摩ファミリー オーケストというところ」)で触れてみました。公演には私も関係させて頂くこ…

量から質へ------ の模索

長くアマチュア音楽の世界に籍を置いていると、歌(音楽)は世につれ------ ということが、ある程度察知出来るように感じることがある。 私は素人レベルだから大きなことは言えないが、総じて「量から質へ」ということになるのかもしれない。それにも、いろ…

雑感/時間遵守、消費者、文章術、騒音対策

順不同で前後脈絡もないものばかりです。● 時間遵守 日本の交通機関の時間の正確さには定評があるようです。飛行機や列車の発着の様子を見て、自分の行動予定の参考にしている、という話はよく聞きます。松本清張ミステリーの題材に利用されたりもします。 …

● 寸感/クラシック音楽への接し方。頭のためになる休憩法

◇ クラシック音楽への接し方 新聞広告で見たのですが、ある雑誌で名曲とされるクラシック音楽の管弦楽曲が特集されていました。 何でも第1位はベートーヴェンやシューベルト等の、我々に馴染みの深い音楽ではなく、ストラヴインスキーの「春の祭典」、以下…

寸感/機知、運弓

◇ 販売の第一線に立つ店員さんの振る舞いについては、きっと接客マニュアルで訓練を積んでいるらしいデパート、量販店、飲食チェーン店などで表面的に接するだけでは分らないものがあるだろう。分るのはマニュアルの出来不出来だけかもしれない。 そうしたマ…

プラスとプラスはマイナス?

私事ですが、私が下手な趣味とする合奏では、もう長年オーケストラや室内楽 を楽しませて(邪魔させて)頂いてきました。 私の学校OBのオーケストラでは、50歳以上という厳しい?参加条件のもとにべートーヴェンの「第 九」をやったりするのですが、これとは…

陳さま の日々

老後のことは誰しも気になるところだが、具体的なイメージは掴みにくい(あるいは目を背けていたい)。経験がないからでもある。まして、若い人に老後は全く無縁で、だからこそ先行きを考えない若気の至りも許されるのだろるが、しかし、案ずることはない、…

「未完成交響曲」(シューベルト)を聞く

作家の安岡章太郎氏が亡くなられた。文章に優れていたのは勿論であるが、美術や音楽にも通じておられた。 80歳の頃と思われる安岡氏の言葉がある。一切の虚飾や見栄などを卒業されていると思われる心境が窺われるようだ。 ----- もう音楽に対して過剰な期待…

ノート論議

論議というほどの大袈裟なものではないが、学校の授業などで先生の講義や黒板の記述をノートに書き写すというのは、誰にとっても馴染みの深いものだ。大学に行ってまでノート写しに終始して卒業する、というのは些か問題かもしれないが。 このノートの書き取…

魅力の音作り/参考小品集

ヴァイオリンとチェロの演奏レパートリーのなかの、参考になりそうな小品(*)に限って、弦楽合奏曲、ヴァイオリン曲、チェロの曲、ピアノトリオ、弦楽四重奏曲、女性アカペラ、ミュージカル、ヴォーカル(男性)、インカ民謡、韓国歌謡、冗談音楽、ポップ…

寸感/指揮/リハーサル(小沢氏、茂木氏)

◇◇ 小沢征爾氏が指揮者修業中の佐渡 裕氏に語ったとさわれる言葉。 ----- もし君が馬鹿でなかったら、いまの仕事(アマチュアのオーケストラや合唱団などを指導する仕事など)をすべてやめて、親に借金してでもプロとしての勉強を始めたまえ。 (*)「僕は…

「多摩ファミリーオーケストラ」というところ

今般、ご縁があって東京都日野市を拠点とする「多摩ファミリーオーケストラ」第6回公演に些かの関わりを持つことを得ましたので、少し感想を書かせて頂こうと思います。 以下はオーケストラ役員さんたちのお話を基に私の僅かな見聞を加えたもので、多少の憶…

寸感/丸出し、電話&西洋音楽と日本人

◇ 馬鹿丸出し 礼節を欠いた題名ですが、これ以外に思いつくものがないので、敢えて掲げさせて頂きました。 電話での売り込みで経験させられたことです。 畳屋、生命保険、金融商品、古物商、などから売り込みの電話がかかってくることは珍しくありませんが、…

私の「カルメン」

最近になってやっと真打ちオペラ「カルメン」とされるDVDを入手することが出来た。カルロス・クライバー指揮、ゼフイレッリ演出、ウイーン国立歌劇場管弦楽団、ホセがドミンゴという最強の布陣である。 もっとも、製作は30年ほど前だから、単に私が知らなか…

私のアマチュア音楽小史

ある音楽愛好家倶楽部に原稿を寄稿してみました。 私は下手なアマチュア(ヴァイオリン/チェロ)として、長い間、室内楽やオーケストラにかかわってきましたが、一口にアマチュアの音楽といっても、そこにはいろいろな変遷や色合いがあります。「俯瞰」とい…

人様々、そして稚夢/老志

人様々、と言っても、優れた大作家あるいは哲学者が透徹した人間観察眼で表すもの、古今東西に通用する大文章------に及ぶようなものが私に書ける訳がない。 せいぜい出来るのは、たまたま目についたものについての雑感を、脈絡もなく並べ立ててみるくらいの…

あるアマチュアオーケストラの有意義な試み/親子コンサート

前年に引き続き、港北区民交響楽団の「親子コンサート」(2012.8.26)を拝聴させて頂きました。指揮は、先般「笑顔で演奏せよ」と団員に命じたとされる三矢幸子先生。 (*)主催/横浜市港北区役所ほか。ブログ「笑顔のコンサート」御参照。 「親子コンサー…

「よ」の効用

ブログ仲間が集ると時に「名文」の話になる。ただ名文を賞讃し、恐れ入るというだけでなく、自分も早く名文が書ける境地に到達したいものだ、という叶わぬ願望を込めてーー。 文筆家がよく薦めるように、私も名文の筆写を試みたことがある。お手本は藤沢周平…

寸感/芸術作品 製造法

芸術作品 製造法 芸術作品 は「閃き」から生まれる、と私は思う。そして、いつも何も閃かないので、私は芸術家にはなれない。 そう単純に信じ、また実際にもそうなのだが、世の中には違った便法も存在しているらしい。もう手遅れだが、もっと早く読んでおけ…