脱帽 黒澤明監督作品(その3)


 テレビドラマ(黒澤作品のリメイク版)「天国と地獄」「生きる」を拝見したが、ネット上のブログでたまたま目についたものに限っても、いろいろな感想/批評にお目にかかれて、大変参考になった。
 黒澤作品の完成度があまりに高かったためか、概して辛口のものが多かったような気がする。


 それでも「天国と地獄」については、スリリングな内容のせいか、原作同様に楽しめたという意見が多かったように思うが、「生きる」についてはあまり芳しいとは言えないものがあった。
 当然だ。
 なぜなら、活劇の展開に身をまかせていればすむ「天国と地獄」と違って「生きる」では、直接に観る人の人生観、死生観を鋭く問う内容となっているからだ。
 私はそれらの是非を問題にしているわけではない。これが絶対に正しくて、それ以外のものは全部間違っている、というような人生観、死生観がありうる筈もない。


 せっかく畢生の名作「生きる」を見たのだから、その感想/意見を大切に保存しておいて、自分が還暦、古希等を迎えた時に、心を新しくして見直してみる機会を作れないものだろうか。
 名作とはそのために作られているものではないのだろうか。


<権兵衛の一言>
 自分のログのCDをタイムカプセルに入れ、安全確実
な場所に保存しておくというのはどうか。
 そんな面倒なことはご免だ、という人は、それも一つの立派な考え方だから、傍からとやかく言うことではななくなる。