英語「幼児」教室の効用?

 産経新聞(06.9,25)の記事「役に立つ?英語幼児教室」を見て「う〜む、やるものだなあ」と感じ入った。
 いずれ小学校に英語教育が取り入れられそうな趨勢だが、この幼児教室はその先を行く試みだ。
 自ら幼児教室を主宰する竹山絵利氏(東京都)によると、週1回程度の授業では限界があり(当然だ)、週5日、1日4時間ほどの英語授業と保育を兼ねた運営を行っているという。
 外国人教師が子供を預かり!保育する、という条件を活かして、長時間の英語教育を施す、という発想には頷けるるものがある。母親にも人気があるようだ。
 授業は、読み聞かせ、歌、工作、友達との会話など、すべて英語。


 さて、従来からの小学校英語教育で常に問題視されていたのは、例えば;
◇ 育ち盛りの子供の頭が、日本語と英語の二元教育を受けて、正常な日本語脳教育が阻害されるのではないか。(つまり「おかしな」日本人に育ってしまい、回復不能?)。
◇ 僅かな英語授業時間では、すぐに忘れ去られてしまうのではないか。


 ----- というもので、私も同様の危惧の念を持っている(別に責任はないが)。さらに申せば、まず日本語をしっかり身につけ、中学校から英語学習を始めれば充分、かつ、健全な日本人に育つ(筈)。場合によっては、大学からでも充分。(第2外国語の多くは、大学で学び、何とかサマになる。但し、必要あっての話だが)。


 怖いのは、前段の弊害は(もし、あるのなら)すぐには発見出来ず、成人になって初めて顕在化するのではないか、ということである。


 竹山代表の弁;
◇ そのまま小学校に進学すれば、英語はきれいに抜けてしまうが、中学年までに週に2回ぐらいネイテイブと話していれば一生身につく。
◇ 親が英語だけでよいと思わなければ、(日本語との)両立は可能。


 ここで最も注目(警戒)すべきは、「親が英語だけでよいと思わなければ」というところであろう。
 つまり、親が幼児を教室に預け、それで事足れり、と思ってしまえば、日本語がオカシくなり、また、せっかくの英語も小学校で消えてしまう、ということになる。


 「親が英語だけでよいと思わなければ」(日本語教育の大切さを忘れなければ)に類似した危険は、我々の身近にもある。
◇ 我々がよく口にする「英語を中学以来、10年も勉強しているのに、英語を満足に話せない」
 ----- というのは、中学以来、英語学習を学校で当てがわれているから、英語は自動的に身についている筈だ。という見当違いの幻影を語っているだけなのだ。
 要するに、自分で自覚して勉強しなかったから、英語が 出来ないだけの話である。
◇ 街の英会話教室に行ってさえいれば、英語が身につく、と錯覚するのも同じレベルの話。


<権兵衛の一言>
 少子化対応策も、遂にここまで来たか。
 勘違いかな?