蒙古を支えた重臣

 大帝国を興し、日本にも存亡の危機を及ぼそうとした蒙古を牽引したのはチンギス・ハンだけではなかった。
 堺屋太一氏の著作に教えられたのだが、大帝国の内政を支えたのは、チンギス・ハンに厚く用いられた重臣・耶律楚材であったという。

 耶律楚材のモットーは「一利を興すは、一害を除くに如かず」。
 つまり、一つの利益を得ようとするよりも、一害を除くほうが国益に叶う、というものだ。
 そのメリットは頭では理解出来ても、地味で目立たないこの仕事を、好んでやろうとする人物はなかなかいるものではなかろう。殊に政治の世界では。

 耶律楚材は立派だが、こういう人物を発掘し、存分に腕を振わせたチンギス・ハンという人物も並の存在ではない。

 話は飛ぶが、小泉首相にとっての耶律楚材は誰であったのだろうか。
 変人宰相小泉氏は、自ら耶律楚材となって、除くべき害を除いた(除こうとした)のではなかったか。

 折しも次期首相選びが本格化しようとしている。
 誰しも変人首相のようには振る舞えないとしたら、次期首相を支える耶律楚材----- 官房長官、あるいは、幹事長が注目の人事となろうか。


<権兵衛の一言>
 ノーコメント。