「3」と「2」

 数字で縁起を担ぐ趣味はない。「仏の顔も三度」は何やら面白いが、何故「三度」なのか、詮索する余裕までは持てない。
 よくスピーチなどで、要点を三つに絞るとよく聞いて貰えて、しかも印象に残る、と言われる。それなら、その技法をブログにも適用すれば良質のものが出来るのか-----しかし、大体ブログというのは「日記」といわれているくらいだから、なけなしの思いつきを無作為に書けるだけ書いて、ネタが尽きたらそこで終ってサヨナラ、という具合でありたい。

 しかし、「3」とか「2」は何となく気にかかる。
 「声に出して読みたい日本語」で有名な斎藤孝先生のエッセイに「秘数3とひきこもり」というのがある。
 善悪、天地、生死など、二つを対立させて世界を捉えようとする考えは、二項対立的思考であるとする。これに対して三項は螺旋状に思考が発展する----思考に立体感が生まれる、とされる。

 先生の論考はここから発展して「ひきこもり」論議に及ぶのだが、これは難しいので専門家にお譲りしよう。
 私なりの「3」と「2」論議を日記風に述べてみると;

◇ いきなり飛行機の話題になるのだが、3機で編隊を組むと、敵機からの攻撃に強くなるという。3機が水平に飛んでいても、立体的な防御網が展開出来るということだろう。
◇ しかし、旋回飛行などの運動性の面では問題はある。
 そこへいくと、2機編隊では運動性も保持出来、かつ攻撃能力もある。
 先の大戦時、優秀な日本のゼロ戦に手を焼いたアメリカ戦闘機は、格闘戦を避け常に2機編隊で対峙したという。

 この「3」と「2」を企業の生死に関わる組織編成の原理に応用したらどうなるか。従来の係、課、部といったピラミッド型組織を凌駕するだけの効率と生産性を確保することが出来るか。

 人間は生身の生き物であるから、単なる組織原理で動かされるほど単純ではない。また、欧米での先行例がそのまま日本に適用出来る筈もない。

 私は、経営から「情」をどうしても排除しきれない日本型経営にこそ、この「3」と「2」の実験例は活かせると思うのだが、「情」が絡むということは、失敗の確率も高いという点が難題だ。

 少子化問題団塊世代の大量退職、外国人労働者の受け入れ、など労働市場の課題は多いが、この「3」と「2」問題は、今後とも依然として課題であり続けるだろう、という気がする。

<権兵衛の一言>
 3匹と2匹の子犬の育て方はどう違うか。また、成長した時にどういう性格になるか。これは興味ある問題ではなかろうか。